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Please use this identifier to cite or link to this item: http://hdl.handle.net/10087/13104

Title: 集団歌唱療法による児童養護施設入所児童の自己感の成長
Other Titles: The development of sense of self in childrenplaced foster homes through group singing therapy
Authors: 植原, 美智子
Keywords: 児童養護施設入所児童
自己感
集団歌唱療法
情動調律
Issue Date: Mar-2020
URI: http://hdl.handle.net/10087/13104
Academic Degrees and number: 32304甲第10号
Degree-granting date: 2020-03-19
Degree name: 博士(臨床心理学)
Degree-granting institutions: 東京福祉大学大学院
Review Abstracts: 本研究は、児童施設で生活する児童に集団唱歌指導を行うことによって、自己感を成長させることができるかについて検討した研究である。児童施設での生活が児童の発達にとって不利であることは、よく知られた事実である。たとえば、施設児童はアタッチメントや情動の問題が共通して生じ,愛着・トラウマ問題を持ち、まとまった自己を発達させて連続した自己感をもつことが困難になるとされている。不適切な養育が施設児童の自己感の発達に対して影響を与えているのであれば,自己感の発達にはどのような心理的援助が有効であるのかを実証的に援助を研究して適切な援助法を実施することが必要である。  児童養護施設は家庭に代わって生活を保障し,必要なニーズに応じて育ちを支える場である。施設では日々さまざまな生活場面で,児童指導員や保育士等の多分野の専門職が,子どもの回復と育ちのために支援を行っている。 心理臨床分野で中心となって行われている施設児童への個別心理療法は重要な役割を果たしている。しかし,一方で直接援助職員へのコンサルテーション活動を含めた「生活臨床」の一部として機能する連携型の心理的援助の工夫が求められている。集団歌唱療法では,音は同じ空間で同時に鳴っていれば必ず相互に干渉しあい,必ず共鳴・共振を起こしたり打ち消しあったりする。他者の発する歌によって無意識が発生し身体が鳴り出す。場を共有するだけで,共に歌える歌がそこにあるだけで,楽器としての身体同士は共鳴・共振を行っている。無意識レベルで共感や違和感を身体同士の共鳴の中で得るのが歌なのであり,それは集団歌唱でしか実現できない。そこで、本論文では、集団歌唱療法での他者との感情共鳴により情動調律の体験が可能になると考えた。 自己感」における「他者表象」「自己表象」「自己-対象表象」という,自己や他者をいかに体験しているのか児童の内面変化を捉えることから,子どもの自己が投影されやすい描画法が適していると考えている。Gerald & Patricia(1987)は,「投影法として描画を使用する場合の理論的根拠は,子どもがどのように自分自身を対人関係的な存在とみなしているのか,という自己感覚の発達とも関係している」としている。また,Hammer(1958)は家屋・樹木・人物の描画が豊かな象徴性をもっており,「家」は被験者に知覚された家庭環境との関係を、「木」は比較的深くより無意識的な自己像や自己についての感情を,「人」は意識に近い部分での自己像や環境との関わりを表しやすいとしている。したがって,本研究では,描画法の一技法である統合型HTP法を用いている。 情動調律を体験した児童は,他者との関係において集団歌唱療法で体験した他者と共にあるという情動の相互交流の表象が活性化され,そのたびに,呼び起こしの友と出会うことができる。呼び起こしの友は,自己を制御する他者と共にあるあるいは自己を制御する他者がそこにいるという体験である。現実の仲間や呼び起こしの友と常に共にあることは,不安や探索の際に信頼と安心を最初に作りだしてくれるのは,集団歌唱療法における自己と他者の生のエピソードの記憶である。日常生活で施設児童は,集団歌唱療法の仲間と共にあるという生のエピソードを手掛かりとして,自己感の成長を続けていくと考えている。 2つの実践から、集団歌唱療法による情動調律の体験から自己感が発達することを示した。以上の知見は新たな領域を開くものであり、博士の学位にふさわしい研究と認められる。
Appears in Collections:心理学研究科(博士)

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